8月28日の日経新聞を読んで考えた、日本株と中国株の投資戦略――「国策の日本」vs「価格競争の中国」
2026年8月28日の日経新聞を読んでいて、現在の株式投資で重要になっているテーマがかなりはっきり見えてきました。
それは、日本では防衛・インフラ・電力・AI関連への投資が拡大する一方、中国ではEVやロボットなどの製造業で世界市場への攻勢が強まっているということです。
日本株と中国株。どのように投資するべきなのか。
今回の記事を読みながら、自分なりに考えてみました。

目次
日本では「防衛・インフラ」が長期投資テーマに
まず目を引いたのが、防衛装備品の供与先をベトナムやパラオなどに広げるという記事です。
日本政府は政府安全保障能力強化支援(OSA)の対象国を増やし、監視レーダーなどの防衛装備品を提供する方針です。
さらに、将来的には完成品の防衛装備品輸出も目指しています。
これは日本の防衛産業にとって大きな変化だと思います。
これまで日本の防衛企業は、基本的に「日本政府が買う」という国内需要が中心でした。
これからは、
日本の防衛予算増加+海外への装備品供与
という二重の需要が生まれる可能性があります。
私が保有している三菱重工業、川崎重工業、IHI、三菱電機、NECなどには、中長期的な追い風になりそうです。
特に三菱重工業は、防衛だけでなく造船やエネルギーまで恩恵を受ける可能性があり、今回のニュースを読んでも改めて強さを感じます。
インフラ老朽化も巨大な投資テーマ
国土交通省は2027年度予算で、上下水道、鉄道、河川などのインフラ予防保全に1兆1591億円を要求しています。
前年比34%増という大きな増加です。
日本では高度経済成長期に整備されたインフラが一斉に老朽化しています。
これからは「新しく作る」だけではなく、
壊れる前に修理する
という市場が長期間続くことになります。
私が保有している東日本旅客鉄道や日立などにとっても、こうしたインフラ更新の流れは長期的な支援材料になると考えています。
AI投資の本当の恩恵は「電力」にも広がる
今回、個人的に最も注目したのがAIと電力の関係です。
アジアではAIやデータセンターの建設が急速に進んでいます。
しかし、データセンターを作れば、それだけ大量の電力が必要になります。
つまり、
AI → データセンター → 電力需要増加 → 発電所・送電網・蓄電設備への投資
という流れが生まれます。
AIブームというと、どうしても半導体企業に目が向きます。
しかし、AIを動かすためには大量の電力が必要です。
そう考えると、これからは「AIそのもの」だけではなく、AIを支える電力やインフラにも投資機会が広がっていくのではないでしょうか。
私が保有している関西電力についても、今回の記事を読んで長期的な成長テーマとのつながりを改めて感じました。
中国ではEVとヒューマノイドロボットが世界へ
一方、中国企業の勢いも無視できません。
今回の記事ではBYDが、日本向けの軽EV「ラッコ」で開発した技術を小型EVに転用し、欧州など世界市場に投入する計画が紹介されていました。
これは非常に中国企業らしい戦略だと思います。
日本市場向けに開発した技術を、そのまま世界市場へ展開する。
しかも中国ではEVメーカー間の競争が非常に激しく、価格競争と技術革新が同時に進んでいます。
シンガポールではBYDが2025年の新車登録台数で初めて首位になり、トヨタ系販売代理店が人員削減に動いたという記事もありました。
日本企業にとっては、かなり警戒すべき動きです。
AGIBOTのヒューマノイド戦略も興味深い
もう一つ気になったのが、中国のヒューマノイドロボット最大手AGIBOTの記事です。
AGIBOTは日本、韓国、シンガポール、タイなどで現地企業と協力し、ロボットの稼働データを収集する拠点を作ろうとしています。
ここで重要なのは、単純に「ロボットを売る」という発想ではないことです。
ロボットを実際の工場や現場で動かし、
データを集める → AIを学習させる → ロボットを賢くする
という循環を作ろうとしています。
これは今後のロボット産業で非常に重要になると思います。
私が保有しているファナックや安川電機にとっては、競争相手が増えるという意味ではリスクです。
一方で、世界中でロボット導入が加速すれば、FA・自動化市場そのものが大きくなる可能性もあります。
したがって、今のところ私は「中国ロボット=日本企業の敗北」とは考えていません。
むしろ、中国企業との競争に日本企業がどう対応するのかを見極める段階だと思っています。
日本株は「国策」が強い
今回の新聞をまとめてみると、日本株にはかなり分かりやすいテーマがあります。
防衛
インフラ更新
AI・データセンター
電力
造船
です。
そして、これらの多くに政府の政策が関係しています。
防衛費を増やす。
老朽化したインフラを更新する。
AIデータセンターを支える電力を確保する。
造船産業を再生する。
こうした投資は短期間で終わるものではありません。
そのため、日本株では「一時的なブーム」ではなく、10年単位で続く設備投資テーマを探すことが重要だと感じます。
中国株は「世界に勝てる企業」を選びたい
一方、中国株については少し考え方を変える必要があると思っています。
中国には非常に大きな成長市場があります。
EV、バッテリー、ロボット、AI、半導体などです。
しかし、中国企業同士の競争が非常に激しい。
そのため、中国株に投資するなら、
中国市場が成長するか
だけではなく、
その企業が世界市場で勝てるのか
を見る必要があると思います。
BYDのように海外展開を加速できる企業や、AGIBOTのように海外で実際のデータを集めてAI性能を高めようとする企業は、今後も注目したいところです。
日本株と中国株、私はどう考えるか
今回の記事を読んで、私の中では日本株と中国株の位置づけがさらに明確になりました。
日本株は、
「防衛・電力・インフラ・造船という国策テーマ」
を軸に考えたい。
中国株は、
「EV・ロボット・AIなどで世界市場を取りに行く企業」
を選別していきたい。
という考えです。
日本企業には、中国企業にはない「信頼性」「品質」「既存顧客との関係」「インフラ運営能力」といった強みがあります。
一方、中国企業には「低コスト」「大量生産」「激しい競争による技術革新」「巨大な国内市場」という強みがあります。
どちらが勝つという単純な話ではなく、産業ごとに勝者が変わる時代になっているのだと思います。

今回の記事から見えた私の注目テーマ
今回の日経新聞を読んで、特に注目したいのは次の5つです。
① 防衛
三菱重工業、川崎重工業、IHI、三菱電機、NEC
② AI・電力
関西電力、日立、三菱電機など
③ インフラ更新
東日本旅客鉄道、日立など
④ 造船
三菱重工業、川崎重工業など
⑤ ロボット・自動化
ファナック、安川電機、中国ロボット企業など
中でも今後さらに重要になると思っているのが、
「AI×電力×インフラ」
です。
AIブームが続けば続くほど、最終的には「電力をどう確保するのか」という問題に行き着くからです。
まとめ
8月28日の日経新聞を読んで感じたのは、世界の産業競争が新しい段階に入っているということです。
日本では防衛、インフラ、電力、造船など、政府と企業が一体となった大型投資が始まっています。
一方、中国ではBYDのEVやAGIBOTのヒューマノイドロボットなど、世界市場を狙った製造業の競争力が高まっています。
そのため、日本株では「国策によって長期的に需要が増える企業」を、中国株では「世界市場で中国企業同士の競争を勝ち抜ける企業」を選ぶ。
これが、これからの投資では重要になってくるのではないでしょうか。
特に私自身は、日本の防衛・電力・インフラ関連を長期保有しながら、中国のEV・ロボット・AI関連については成長性と競争力を見極めて投資するというスタンスで、今後も市場を見ていきたいと思います。
株式投資では、目の前の株価だけを見るのではなく、
「これから10年間、どの産業にお金が流れ続けるのか」
を考えることが大切だと改めて感じました。
