金利上昇でも日本株は強い? 9月の投資戦略を考える――AI・防衛・商社・中国株をどう見るか
9月に入り、株式市場を取り巻く環境が少し変わってきました。
今日の日経新聞では、米国の利上げ観測、中国経済の減速、中国EVへの規制強化、ヒト型ロボットの急成長、米国の核兵器予算拡大、TOPIX改革、商品価格上昇、訪日客増加など、今後の投資戦略を考えるうえで重要な記事が並びました。
これらをまとめて見ると、今後は単純に「株価が上がりそうな銘柄」を買うのではなく、業績成長が続く企業と、構造的な需要が増える分野に資金を集中することが重要だと感じます。

目次
- 1 金利上昇はハイテク株に逆風だが、業績が強ければ耐えられる
- 2 私の保有株では「半導体・AI」と「重工・防衛」を引き続き重視
- 3 中国では「景気減速」と「成長産業」が同時進行
- 4 ヒト型ロボットは面白いが、まだ「実用化」を見極めたい
- 5 中国EV規制は、日本の自動車・部品企業には追い風になる可能性
- 6 防衛投資は一過性ではなく、長期テーマになっている
- 7 TOPIX改革は「大型・優良企業」をより重視する流れ
- 8 商品価格上昇には警戒。金は引き続き保有したい
- 9 ホテル・観光は日本の「内需成長テーマ」
- 10 9月の投資戦略は「急いで買わない」
- 11 私なら9月はこう動く
- 12 まとめ――9月は「成長株を捨てる」のではなく、選別する
金利上昇はハイテク株に逆風だが、業績が強ければ耐えられる
今日の日経新聞で特に重要だと感じたのが、日韓のハイテク株についての記事です。
米国の利上げ観測が強まり、金利上昇は本来ならハイテク株にとって逆風です。
将来の利益を現在価値に換算する際の割引率が上昇するため、PERが高い成長株ほど株価が下がりやすくなります。
しかし、今回の日経の記事では、日経平均の12カ月先EPSが年初から約3割上昇していることが紹介されています。
つまり現在の日本株上昇は、単純な「PERの上昇」だけではなく、企業利益そのものの成長に支えられているということです。
ここは非常に重要です。
今後、金利が上昇しても利益成長が続けば株価は下支えされます。一方、金利上昇に加えて利益成長まで鈍化すれば、ハイテク株にはかなり厳しい局面になります。
したがって、9月以降は「金利」だけを見るのではなく、EPS成長が続いているかを確認したいところです。
私の保有株では「半導体・AI」と「重工・防衛」を引き続き重視
この環境を私の保有株に当てはめると、引き続き注目したいのは、
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ソフトバンクグループ
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東京エレクトロンなどの半導体関連
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三菱重工業
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川崎重工業
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IHI
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三菱電機
-
NEC
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日立
といった、AI・半導体、防衛、社会インフラに関連する企業です。
特にAIについては、今回の記事にもあるように、米国のハイパースケーラーが巨額の設備投資を続けています。
金利上昇によって設備投資の資金調達コストが上がることはリスクですが、AI投資そのものがすぐに消えるわけではありません。
むしろ今後重要になるのは、
「AI投資が続くか」ではなく「AI投資によって企業が実際に利益を生み出せるか」
だと思います。
その意味では、半導体製造装置、データセンター、電力、防衛、通信など、AI投資の「周辺インフラ」を提供する企業にも注目したいところです。
中国では「景気減速」と「成長産業」が同時進行
中国については、かなり複雑な状況になっています。
8月の中国製造業PMIは49.8と、2カ月連続で50を下回りました。特に雇用指数が低下しており、景気の先行きに対する企業の慎重姿勢が強まっています。
さらに、中国不動産大手の碧桂園は2026年1~6月期に約3700億円の最終赤字となりました。
中国経済全体を見ると、
不動産不況+雇用悪化+内需の弱さ
という問題がまだ残っています。
一方で、ヒト型ロボットやEVなどの産業では、中国企業が猛烈な勢いで技術開発と量産化を進めています。
つまり中国株については、「中国経済が悪いから全部売り」という判断も、「中国の成長産業だから何でも買い」という判断も危険です。
今後は、不動産・内需関連と、政府が成長を後押しするハイテク産業を分けて考える必要があると思います。
ヒト型ロボットは面白いが、まだ「実用化」を見極めたい
中国のヒト型ロボット運動会の記事も非常に興味深い内容でした。
100メートル走では8秒64という、人間の世界記録を大幅に上回る記録が出た一方、サッカーや卓球ではAIによる自律動作に課題が残りました。
ここから分かるのは、ロボットの「運動能力」と「実用能力」は別物だということです。
走ることができても、
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物を正確につかむ
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周囲の状況を認識する
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人間と協調する
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工場で長時間稼働する
-
コストを抑えて量産する
といった課題をクリアしなければ、本格的な産業利用にはつながりません。
したがって、私はヒト型ロボットについては短期的なテーマ株投資より、半導体・センサー・モーター・制御機器などの周辺企業を長期的に見る方が安全だと考えています。
これは現在保有しているファナック、安川電機、三菱電機などとも関連してくるテーマです。
中国EV規制は、日本の自動車・部品企業には追い風になる可能性
今回の記事でもう一つ注目したいのが、東南アジア各国による中国EVへの規制強化です。
マレーシアやタイでは、中国製EVの完成車輸入を抑え、現地生産や現地部品調達を促す政策に転換しつつあります。
これは中国EVを排除するというより、
「中国企業には投資してもらう。しかし、完成車を輸入するだけではなく、現地で生産し雇用や部品調達を生み出してほしい」
という政策です。
ここは日本企業にとって意外に重要です。
長年にわたって東南アジアに生産拠点や部品サプライチェーンを構築してきた日本の自動車メーカー・部品メーカーにとっては、一定の追い風になる可能性があります。
私が保有するトヨタ自動車についても、中国EVとの価格競争だけを見るのではなく、東南アジア市場での生産・販売体制という視点を持っておきたいと思います。
防衛投資は一過性ではなく、長期テーマになっている
米国が核兵器関連予算を10年間で3倍に増やすという記事も、投資家として無視できません。
米国だけでなく、中国、ロシア、北朝鮮などの軍事力増強が続く中、防衛費の増加は一時的な政策ではなく、長期的な構造変化になりつつあります。
日本でも防衛力強化が進んでいます。
そのため、
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三菱重工業
-
川崎重工業
-
IHI
-
NEC
-
三菱電機
など、防衛・航空宇宙・通信・電子戦などに関係する企業は、中長期的な成長テーマとして引き続き注目したいと思います。
ただし、防衛関連株はすでに期待が株価に織り込まれている可能性もあります。
したがって、今後は「防衛だから買う」のではなく、受注残高、利益率、キャッシュフロー、株価水準を確認しながら押し目を狙うという姿勢が重要です。
TOPIX改革は「大型・優良企業」をより重視する流れ
TOPIX改革も私の投資戦略にとって重要です。
今回の定期入れ替えでは、TOPIXの構成銘柄が1000銘柄を下回る可能性が高いとされています。
新TOPIXでは、流動性を考慮したうえで浮動株時価総額の大きい企業が中心となります。
これは市場全体として、
「規模が大きいだけではなく、流動性があり、投資家から評価される企業を重視する」
方向への改革と考えられます。
長期投資では、この流れは非常に重要です。
私は今後、TOPIX全体に投資するだけでなく、TOPIX改革によって相対的に評価されやすい「大型・高収益・株主還元・成長投資」を兼ね備えた企業を選ぶことも意識したいと思います。
商品価格上昇には警戒。金は引き続き保有したい
今日の記事では、日経商品指数42種が8月末に過去最高を更新したことも報じられています。
特に、
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金
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原油
-
銅
-
化学品
-
農作物
などが上昇しています。
これはインフレ圧力につながる可能性があります。
原油高と円安が同時に進めば、日本企業のコスト負担は増加します。
一方で、資源価格上昇の恩恵を受ける企業もあります。
また、金は株式市場が不安定になった際の分散投資先として機能します。
私はすでに金ETFを保有しているので、ここでは無理に買い増すのではなく、株式とは異なる値動きをする資産として保有を継続するという考え方でよいと思っています。
ホテル・観光は日本の「内需成長テーマ」
ホテル客室単価が7月に前年同月比5.7%上昇し、訪日客数も7月として過去最高になったという記事もありました。
これは単純なインバウンド復活だけではありません。
訪日客の増加によって、
ホテル
↓
交通
↓
小売
↓
外食
↓
レジャー
↓
不動産
という幅広い経済効果が生まれます。
日本株投資では、AIや半導体だけに目を向けるのではなく、インバウンドという日本固有の成長テーマもポートフォリオに取り入れる価値があります。
9月の投資戦略は「急いで買わない」
今回の記事を総合すると、9月の投資戦略は「強気だが、一気に買わない」が基本だと考えます。
理由は明確です。
米国の利上げ観測が強まっており、9月には米雇用統計やCPIなど重要指標が控えています。
さらに日本でも長期金利上昇への警戒があります。
したがって、短期的にはハイテク株を中心に大きな調整が起きる可能性があります。
しかし、その一方で日本企業の利益成長、AI投資、防衛投資、インバウンド、設備投資など、株価を支える材料も非常に多い。
だからこそ、私は現金をある程度残し、下落局面で優良株を拾う戦略を取りたいと思います。
私なら9月はこう動く
現在の保有株を考えると、優先順位は次のように考えます。
① 長期保有の中心はそのまま
S&P500とNASDAQ100の積立は、これまで通り継続します。
すでに長期積立を続けているので、短期的な金利変動だけを理由に積立方針を変更する必要はないと考えます。
② 日本株は「AI・半導体+防衛+商社」を軸にする
日本株では、
AI・半導体
+
防衛・インフラ
+
総合商社
という組み合わせを引き続き重視します。
三菱重工業、川崎重工業、IHI、三菱電機、NEC、日立などは防衛・インフラ・AI関連需要の恩恵を受けやすいポジションです。
また、三菱商事、伊藤忠、三井物産などの商社は、資源だけではなく、エネルギー、食料、インフラ、物流など幅広い事業を持つため、景気やインフレ環境が変化したときの分散効果も期待できます。
③ 中国株は「不動産」ではなく「成長産業」を選ぶ
中国については、景気減速や不動産問題を考えると、全面的に強気になるのはまだ早いと思います。
一方、半導体、AI、ロボット、EVなど、中国政府が産業政策で後押ししている分野には長期的な成長余地があります。
したがって中国株は、中国経済そのものに賭けるのではなく、中国の産業競争力に投資するという考え方が合っていると思います。
④ 大幅下落時には買い増す
今回の記事で最も重要なのは、「金利上昇=株を売る」という単純な判断をしないことです。
もし金利上昇によって一時的に半導体やAI関連株が大きく下落しても、企業業績やAI投資の成長ストーリーが崩れていないなら、それは長期投資家にとって買い場になる可能性があります。
逆に、金利上昇と同時に企業の利益見通しまで悪化した場合には、無理に買い向かわない。
この「業績を確認してから買う」という姿勢を大切にしたいと思います。
まとめ――9月は「成長株を捨てる」のではなく、選別する
今日の日経新聞を読んで感じたのは、現在の市場は単純な「株高」ではなく、企業の成長力によって投資資金が選別される相場になっているということです。
金利上昇は確かに株式市場のリスクです。
しかし、
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AI・半導体
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防衛
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データセンター
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電力・インフラ
-
ロボット
-
インバウンド
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商社
-
資源
など、長期的な需要拡大が期待できるテーマはまだ数多くあります。
したがって、9月以降は「何を売るか」よりも、「一時的な金利上昇で売られた優良企業をどこで拾うか」を考える局面だと思います。
特に私のポートフォリオでは、すでにAI・半導体、防衛、商社、インフラなどのテーマをある程度保有しています。
これからは銘柄数をむやみに増やすより、現在保有している優良企業の業績成長を確認しながら、調整局面で少しずつ買い増す。
これが、9月以降の基本戦略になりそうです。
