戦争は望まない。それでも防衛株に投資する理由――世界情勢と日経新聞から考える「防衛投資」の現実
最近、日経新聞を読んでいると、防衛関連の記事が以前とは比べものにならないほど増えていることに気づきます。
AIドローン、ミサイル、防衛通信、サイバーセキュリティ、宇宙開発、半導体、無人機……。
こうしたニュースを追っていると、正直なところ複雑な気持ちになります。
私は戦争を望んでいるわけではありません。
むしろ、できることなら世界から戦争がなくなってほしいと思っています。
それでも、最近の世界情勢と日本の防衛政策を見ていると、投資家としては「防衛関連企業への投資を避けて通れない時代になっているのではないか」と考えるようになりました。
スポンサーリンク
目次
世界は「防衛力を高める時代」に入った
現在、世界では地政学的な緊張が続いています。
中東情勢、米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、台湾海峡をめぐる緊張など、安全保障をめぐる不確実性は以前より高まっています。
しかも、戦争の形そのものが変わっています。
これまでのような戦車や戦闘機だけではありません。
AI、ドローン、衛星、サイバー攻撃、電子戦、通信ネットワーク、半導体など、民間技術と軍事技術の境界が急速に薄くなっています。
最近の世界的な国債利回り上昇も、単純な金融政策だけでは説明できません。インフレ、政府債務、地政学リスク、エネルギー価格などが複雑に絡んでいます。日本の10年国債利回りも2026年9月に3%まで上昇し、世界的に「低金利時代の終わり」を意識させる状況になっています。
つまり、世界は「安全保障」と「経済」を切り離して考えられない時代になっているのです。
日経新聞で目立つ「AI×防衛」
最近の日経新聞で特に印象に残ったのが、自衛隊へのAIドローン導入に関する記事です。
ボーイングが日本にAIを搭載した無人戦闘機「MQ-28 ゴーストバット」を提案しているほか、エアバスも川崎重工業との協力を検討しています。
さらに日本では、三菱重工業とNECが防衛分野で戦略的な協業を開始しました。
ここで重要なのは、単純に「新しい戦闘機を作る」という話ではないことです。
これからの防衛では、
AI+ドローン+センサー+通信+衛星+電子戦+指揮統制
という総合的なシステムが重要になっていきます。
ウクライナ戦争でもドローンの重要性が大きく注目されました。
そして日本も「高性能な大型装備だけをそろえる」のではなく、大型の高性能無人機と、小型で比較的安価なドローンを組み合わせる「ハイ・ロー・ミックス」の考え方を取り入れようとしています。
これは日本の防衛産業にとって、大きな市場構造の変化だと思います。
防衛株=武器メーカーだけではない
ここは投資家として非常に重要なポイントです。
防衛産業というと、戦闘機や戦車、ミサイルなどを製造する企業をイメージしがちです。
しかし、これからの防衛産業はもっと広い。
例えば、
-
AI
-
半導体
-
通信
-
サイバーセキュリティ
-
レーダー
-
センサー
-
衛星
-
光通信
-
電子戦
-
エンジン
-
電力・インフラ
-
無人機
など、多くの産業が関係します。
つまり、防衛投資とは「兵器メーカーへの投資」だけではありません。
国家の安全保障を支える技術やインフラへの投資
と考えたほうが、現在の防衛産業の姿に近いと思います。
私が注目しているのは「三菱重工業×NEC」
最近の日経新聞で特に興味深かったのが、三菱重工業とNECの防衛分野での連携です。
三菱重工業が得意とする航空機、艦艇、ミサイルなどの「ハード」と、NECが得意とするAI、通信、サイバーセキュリティ、指揮統制などの「ソフト」を組み合わせる。
これは、今後の防衛産業の方向性を象徴しているように思います。
さらにNECは、企業向けのAIを活用したサイバーセキュリティサービスも開始します。
「AIで攻撃をする」のではなく、「AIで攻撃を防ぐ」。
このように、防衛とサイバーセキュリティ、AIはますます近づいていくでしょう。
防衛と宇宙もつながっていく
最近の日経新聞では、月の南極をめぐる米中競争の記事もありました。
月の南極に存在するとされる水氷は、将来的には飲料水だけでなく、水素・酸素としてロケット燃料に利用できる可能性があります。
そのため、月の南極は単なる科学研究の場所ではなく、将来の宇宙開発における「戦略的な場所」として注目されています。
アメリカと中国が月をめぐって競争していることを考えると、防衛産業と宇宙産業の境界もさらに曖昧になっていくでしょう。
日本企業にとっても、
防衛→航空→宇宙→衛星→通信→AI
という新しい産業のつながりが生まれる可能性があります。
私の保有株にも防衛テーマが広がっている
私自身もすでに防衛関連企業をいくつか保有しています。
特に注目しているのが、三菱重工業、川崎重工業、NEC、三菱電機、IHIです。
それぞれ役割が違います。
三菱重工業は、航空・艦艇・ミサイルなど防衛装備の中心的な存在。
川崎重工業は、航空機やヘリコプター、艦艇などに加えて、今回の日経新聞で報じられた無人機分野でも存在感を高める可能性があります。
NECはAI、通信、サイバーセキュリティ、指揮統制など「防衛の頭脳・神経」に近い部分を担います。
三菱電機はレーダー、電子機器、通信など、防衛電子分野で重要な役割を持っています。
IHIは航空エンジンなど、防衛・航空宇宙産業の基盤となる技術を持っています。
つまり、私は知らないうちに「防衛株を何社も買っていた」というより、
日本の防衛・航空宇宙・AI・通信・電子戦という一つの大きなテーマに投資している
と考えたほうが分かりやすくなってきました。
ただし「防衛だから買う」は危険
ここは冷静に考えたいところです。
防衛予算が増えるからといって、防衛関連株が必ず上昇するわけではありません。
企業には、
-
受注を獲得できるのか
-
利益率は上がるのか
-
防衛事業の売上高はどれくらい増えるのか
-
開発費を回収できるのか
-
株価がすでに期待を織り込んでいないか
という問題があります。
特に最近の日本株は、長期金利が3%まで上昇するなど、株式市場全体のバリュエーションを見直す環境になっています。
世界的にも国債利回りの上昇が企業や政府の資金調達コストを押し上げています。
したがって、「防衛だから何でも買う」という投資は避けたいと思います。
「戦争で儲けたい」のではなく、「平和を守る産業」を支えたい
防衛株への投資について、一番難しいのはここです。
戦争によって企業の利益が増えることを喜ぶような投資家にはなりたくありません。
私が防衛関連企業に投資する理由は、むしろ逆です。
戦争を起こさせないためには、相手に「攻撃しても簡単には勝てない」と思わせる抑止力が必要だからです。
そのために必要な防衛力を、日本が自国の技術と産業によって維持する。
そのためには企業も必要です。
AI、ドローン、通信、衛星、サイバーセキュリティ、半導体、航空機、艦艇、エンジン。
こうした技術を持つ企業に投資することは、単なる「戦争関連投資」とは少し違うのではないか。
私はそう考えるようになりました。
防衛投資は「AI投資」ともつながっている
最近の日経新聞を何本も読んでいると、実は一つの大きな流れが見えてきます。
AIデータセンターが増える。
↓
電力・送配電・冷却設備が必要になる。
↓
半導体・メモリー・光通信が必要になる。
↓
AIを防衛にも利用する。
↓
ドローン・衛星・レーダー・サイバーセキュリティが重要になる。
↓
さらに宇宙開発へ広がる。
つまり、
AI・半導体・電力・通信・防衛・宇宙
は、それぞれ独立したテーマではなくなりつつあります。
最近の日経新聞を読むと、この流れがかなりはっきり見えてきます。
私は「防衛株を買わざるを得ない」のではなく、「必要性が高まった」と考えたい
最初に書いたように、私も「戦争は嫌」です。
だからこそ、防衛関連株への投資には複雑な気持ちがあります。
しかし、世界情勢が変わり、日本も防衛力の強化を進めざるを得ない状況になっている以上、投資家としてその現実から目を背けることもできません。
ただし、私はこれを
「戦争になるから防衛株を買う」
とは考えたくありません。
むしろ、
「戦争を防ぐための抑止力を支える技術に投資する」
と考えたいと思います。
そして、今後の防衛産業は単なる武器産業ではなく、
AI × ドローン × 通信 × 半導体 × サイバーセキュリティ × 宇宙
という巨大な技術産業へ変わっていく可能性があります。
だからこそ私は、短期的な防衛株の値上がりを追いかけるのではなく、三菱重工業、川崎重工業、NEC、三菱電機、IHIなど、すでに保有している企業について、実際の受注、利益、キャッシュフローを確認しながら、長期的に付き合っていきたいと思っています。
戦争は望みません。
それでも、平和を維持するために必要な技術がある。
そして、その技術を生み出す企業がある。
今の世界情勢を見ていると、投資家として、その現実を無視することはできない時代になってきたのだと思います。
スポンサーリンク
