「積極財政×AI×ロボット×海外成長」へ――2026年8月末、投資戦略をどう考えるか
2026年8月31日の日経新聞を読んでいると、これからの投資環境を考えるうえで非常に興味深い材料がいくつも出てきました。
大きなテーマは、日本の積極財政、AI・ロボットによる産業構造の変化、そしてベトナムなど新興国の成長です。
単純に「日本株が上がるか、下がるか」を考えるより、今後どこに資金と企業利益が流れていくのかを見ることが重要になってきたと感じます。

目次
日本は「積極財政」の時代へ
まず注目したいのが、2027年度予算です。
中央省庁の予算要求は一般会計で140兆円前後と過去最大になる見通しです。
高市政権は「責任ある積極財政」を掲げ、危機管理や成長投資に重点的に予算を配分する方針です。
一方で、財政悪化への警戒も強まっています。
政府は新規国債発行を40兆円程度に抑えることを一つの目安としており、これを大きく超えるようなら国債市場で需給悪化→金利上昇につながる可能性があります。
つまり、これからの日本株は、
「積極財政による景気・企業利益への追い風」
と
「国債増発による金利上昇リスク」
の両方を考える必要があります。
金利上昇なら銀行株にも注目
金利上昇は株式市場全体にとって必ずしもプラスではありません。
特に高PERの成長株には、将来利益の現在価値が低下するため逆風になります。
一方、銀行などの金融機関にとっては、貸出金利の上昇によって収益環境が改善する可能性があります。
私は今後の日本株では、これまでのAI・半導体株だけではなく、メガバンクなど金融株にも資金が向かう可能性があると考えています。
「成長株だけを買う」のではなく、金利上昇局面に強い企業をポートフォリオに組み込む意味が大きくなってきました。
防衛・インフラ・AIには政策資金が向かう
今回の記事で特に気になるのが、防衛費と成長投資です。
2027年度の防衛費は現行計画で8.9兆円が要求されていますが、安全保障関連3文書の改定によって、さらに増える可能性があります。
これは防衛関連企業にとって中長期的な追い風です。
私が保有している三菱重工業、川崎重工業、IHI、三菱電機、NEC、日立などについても、こうした政策の流れは重要です。
ただし、防衛だけを見る必要はありません。
AIデータセンター、電力網、半導体、通信インフラなど、AI時代の社会インフラそのものへの投資も拡大しています。
AIブームは半導体メーカーだけのテーマではなく、電力設備、ケーブル、建設などにも需要を広げる長期テーマと考えられます。
「AI×ロボット」は次の製造業革命になる
今日の日経新聞でも非常に印象的だったのが、自動車工場のロボット化です。
現代自動車の米ジョージア工場では、人間とロボットの比率が2対1。
しかも、単純に既存工場へロボットを追加しているのではありません。
最初から「ロボットが働くこと」を前提として工場を設計しています。
ここが重要だと思います。
これからは、
人間が作業する工場を自動化する
のではなく、
AIとロボットを中心に工場そのものを設計する
時代へ移行する可能性があります。
私が注目するのは「ヒューマノイド」よりFA
ヒト型ロボットには大きな期待があります。
しかし、テスラの事例を見ると、完全自律型のヒューマノイドを大量生産し、実際の工場で人間の仕事を置き換えるまでには、まだ技術的なハードルがあります。
そのため、現時点で投資対象として考えるなら、私はヒューマノイドそのものより、AIによる工場自動化を支える既存のFA・ロボット企業を重視したいと思います。
ファナック、安川電機、三菱電機などは、この流れと相性が良い企業です。
AIが進化すればするほど、
AI → ロボット → センサー → 制御機器 → 半導体 → 電力設備
というサプライチェーン全体に需要が波及していく可能性があります。
私の保有株を見ても、ファナック、安川電機、三菱電機などは、この「AI×製造業自動化」という長期テーマに乗っています。
ベトナムにも新しい成長機会
もう一つ今日の日経新聞で気になったのが、ベトナムです。
ベトナムでは行政改革によって中央直轄市を増やし、インフラ整備と海外企業誘致を加速させようとしています。
クアンニン省では、2026~30年に461事業、総額約10兆円規模の投資誘致を計画しています。
電子産業、港湾物流、クリーンエネルギーなどが重点分野です。
また、バクニン省にはサムスン電子や鴻海精密工業などが進出しており、電子部品などハイテク産業の集積も進んでいます。
これは単なる「安い労働力を利用する工場」というベトナムのイメージが変わりつつあることを示しています。
今後は、
製造業+物流+インフラ+IT+エネルギー
という形で成長していく可能性があります。
中国一極集中から「中国+1」へ
ベトナムの成長を考えると、中国との関係も重要です。
世界の製造業では、中国だけに生産拠点を集中させるのではなく、ベトナム、インド、インドネシアなどを組み合わせる「中国+1」の動きが続いています。
そのため、ベトナムの成長はベトナム企業だけの問題ではありません。
ベトナムへ進出する日本企業、商社、物流企業、電機メーカー、半導体関連企業にもビジネスチャンスが生まれます。
日本株を選ぶときにも、海外で成長できる企業なのかという視点を持っておきたいところです。
これからは「政策×技術×海外成長」で考える
今日の日経新聞をまとめてみると、私が今後の投資で注目したいテーマはかなり明確になってきました。
① 日本の積極財政
防衛、インフラ、経済安全保障、AIなどへの政府支出。
② AI・半導体
AIデータセンター、半導体、通信、電力設備などへの設備投資。
③ AI×ロボット
工場自動化、FA、産業用ロボット、センサー、制御機器。
④ 防衛・安全保障
防衛装備、造船、航空宇宙、通信など。
⑤ 海外成長
ベトナムなどASEANを中心とした製造業・インフラ投資。
⑥ 金利上昇への対応
銀行・保険など、金利上昇が収益改善につながる企業。
この6つを意識してポートフォリオを考えていきたいと思います。
「全部買う」のではなく、保有株を活かす
現在の相場では、新しいテーマが次々と登場します。
AI、半導体、防衛、ロボット、データセンター、電力、ベトナム……。
しかし、テーマが多いからといって、次々に新しい銘柄を買えばいいわけではありません。
むしろ重要なのは、現在保有している企業がどのテーマの恩恵を受けるのかを整理することだと思います。
例えば、
三菱重工業・川崎重工業・IHI
→ 防衛・航空宇宙・造船
三菱電機・NEC・日立
→ 防衛・電力・社会インフラ・AI
ファナック・安川電機
→ AI×FA・ロボット
信越化学
→ 半導体材料
トヨタ自動車
→ EVだけでなく、AI・自動化による生産革新
というように、既に保有している銘柄の中に今後の成長テーマがかなり含まれています。
米国株・NASDAQ100は「土台」として継続
一方で、日本株だけに集中するつもりはありません。
S&P500やNASDAQ100への長期積立は、これまで通り継続する方針です。
AI・半導体の成長が続く限り、米国の巨大テック企業が世界のAI投資を主導する可能性は高いからです。
ただし、2026年はAI関連株への資金集中が進んでいるため、「AIだから何でも買う」という姿勢には注意したいところです。
実際、投資環境についても「AI一極集中相場の転換点」を指摘する見方があります。
その意味でも、NASDAQ100の積立を続けながら、日本株では防衛・金融・FA・インフラなどへ分散する現在の考え方は、比較的バランスが取れていると思います。
今後は「株価」より「利益の源泉」を見る
2026年後半から2027年にかけては、株価だけを見るのではなく、
「政府のお金はどこへ向かうのか」
「企業はどこに設備投資するのか」
「AIによってどの産業の生産性が上がるのか」
「世界の資金はどの国へ向かうのか」
を見ていきたいと思います。
今日の日経新聞から見えてくるのは、日本では「積極財政+AI・防衛・インフラ」、世界では「AI・ロボットによる産業構造の変化」、そして新興国では「ベトナムなどへの製造業・インフラ投資」という大きな流れです。
今後の投資では、短期的な株価の上下に振り回されるよりも、こうした大きな資金の流れに乗る企業を長期で保有することを基本にしたいと思います。
特に私の場合は、すでにS&P500・NASDAQ100の積立を続けているため、これを米国・世界の成長の土台としながら、日本株では**「政策」「AI」「防衛」「ロボット」「インフラ」「金利上昇」の恩恵を受ける企業を選別していく**。
これが、現在の投資環境における私なりの基本戦略です。
相場が上がっているときほど、焦って新しい銘柄を追いかけるのではなく、「自分の保有企業は、これから何で稼ぐのか」を考える。
2026年後半は、そんな視点を大切にしながら投資を続けていきたいと思います。
