日本人の対中国感情は?内閣府調査2016年、疑問4つ

      2018/11/13

先日、内閣府による「外交に関する世論調査」発表の記事を新聞で見ました。

中国に「親しみを感じない」と答えた人の割合が増えて83.2%となり、過去最高を更新したそうです。
中国に対する日本人の感情の悪化は12年以降続いるとのこと。

この記事を見て疑問に感じたことがあるので、書き出してみます。

 

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ネットニュース

Yahoo!JAPANニュースから引用
2016年3月12日(土)配信

 

中国に「親近感なし」83%=過去最高更新、対韓感情は改善―内閣府調査

 

内閣府は12日、「外交に関する世論調査」を発表した。

それによると、中国に「親しみを感じない」と答えた人は、2014年10月実施の前回調査より0.1ポイント増の83.2%となり、過去最高を更新した。

 

対中感情の悪化は12年以降続いており、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中の対立や、中国による南シナ海での人工島造成などが背景にあるとみられる。

 

中国に「親しみを感じる」と回答したのは前回と同じ14.8%にとどまった。一方で、日中関係の重要度を尋ねたところ、「重要だ」は73.3%となり、「重要だと思わない」の22.5%を大きく上回った。

 

日韓関係では、韓国に「親しみを感じる」と答えた人は、同1.5ポイント増の33.0%。外務省は「15年の日韓首脳会談や、慰安婦問題に関する日韓合意が影響した」と分析している。

ただ、韓国に「親しみを感じない」という人は64.7%で、前回より1.7ポイント減ったものの、依然として高いレベルだった。

 

 

調査の概要

  • 調査対象: 全国20歳以上の日本国籍を有する者3,000人
  • 有効回収数:1,801人(回収率60.0%)
  • 調査時期: 平成28年1月7日~1月17日
  • 調査方法: 調査員による個別面接聴取)
  • 調査目的: 外交に関する国民の意識を把握し,今後の施策の参考とする。

⇒ 内閣府のホームページ

 

 

疑問に感じること

 

調査対象:誰に聞いたの?

調査対象は、全国20歳以上の日本国籍を有する者3,000人だそうです。
人数はどうでもいいんですが、この内訳が気になります。

 

この3000人の中で、以下に当てはまる人は何名いるのでしょうか。

  • 中国に行ったことがある
  • 中国に長期滞在したことがある
  • 中国人の知人友人がいる

 

中国人と交流したこともない日本人が、メディアの情報だけを頼りに回答したのであれば、中国全体を嫌うのは当然のことなのです。

 

日本にばかりいてネガティブな中国情報を浴び続けている日本人が調査対象の大部分だとしたら、フェアじゃない。

 

調査対象を区分けして統計をとるべきです。例えば、以下のように。

  • 中国人観光客を相手に商売している日本人
  • 中国に駐在歴のある日本人
  • 中国に留学したことのある日本人
  • 中国人と結婚している日本人
  • 中国人に知人友人がいる日本人

 

上記のように中国を経験し中国の理解度が高い日本人に対してこそ質問してほしいです。

 

もし、彼たちの回答で「中国に親しみを感じない」と答える割合が同様に高ければ、それはそれで興味深い結果です。

 

一方、「中国に親しみを感じる」という割合が高ければ、また違った角度から対中感情を分析できます。

 

もちろん、中国に関わりのない日本人への質問も継続して行い、データの比較をするのがよいと思います。

 

そうすることでデータとしての価値が上がり、説得性が増します。

 

中国と関わってこなかった日本人も、その数字に興味を示すのではないでしょうか。

 

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質問方法:中国とは?

ついでに言うなら、質問の仕方も曖昧だと思います。

「中国」という表現について。

 

中国滞在歴のある人ならピンとくるでしょうが、中国という言葉が示すものは、あまりにも広いです。

 

(なんて乱暴な質問の仕方だろう)
と思わされました。

 

「中国」がなにを指すのか。

中国政府のことなのか、中国社会のことなのか、中国人のことなのかは明示してもらわないと、私なら質問者の意図が理解できずに回答に困ってしまいます。

 

「中国人」

中国人にしても、沿岸部と内陸部、東西南北で環境や文化が大きく異なり、それぞれの気質が違ってきます。

 

こういうブログを書いている私も含めて、中国という表現を使いこなすのは実際難しいところなのですけどね。

 

とにかく、
「質問するならより具体的にお願いします」
と言いたいです。

 

 

調査の目的

内閣府によると、「外交に関する世論調査」の目的は「外交に関する国民の意識を把握し,今後の施策の参考とする」ことだそうです。

 

これを昭和50年から続けています。

 

目的として、ちょっと力強さに乏しい気がします。

 

せめて、「施策の参考とする」で終わらずに、その先のことまで示してほしいです。

 

例えば、外交関係を良好にするためなど、より明確にすれば、調査や統計の取り方にも頭を使い本気に取り組むことになるのではないでしょうか。

 

故意にボンヤリした目的にして周囲から突っ込まれないようにしているのかもしれませんが、そのせいで調査をすることだけで満足し、調査方法や内容に工夫がなくなっているように思えます。

 

また、この統計結果を参考として、どういう施策が行われてきたのか、具体的に知りたいです。

 

 

調査の意義

日本国内で流れる中国に関するニュースは、ネガティブな内容で溢れています。

 

よって、対中感情が悪いという調査結果を聞いて驚く日本人はいないでしょう。

 

そんな当たり前の情報を公表する意義はどこにあるのでしょうか。

 

昭和50年から続けているから、ただ形式的に調査して公表しているだけのような気がしてなりません。

 

続けることに意義がある、それでもいいです。

 

ただ、何も考えずになるのではなく、この調査がもっと具体的にどういう意義を持つものなのか。

 

この調査をして情報を公表することでどうなってほしいのか、どうなると予想されるのかまで気を遣ってほしいと思います。

 

この情報の公表が大小様々なレベルでの日中関係に与える影響は、決してよいものではないと思います。

 

この調査結果により、
「やっぱりね、私も嫌い」
という発言、感情など、負のスパイラルを生む可能性もあります。

 

もし、
「とりあえずの統計を出して終わり。後は皆さんが判断してくださいね」
という姿勢なのだとしたらちょっと無責任ですね。

 

内閣府の影響力は小さくないと思うので。

 

以上、対中感情の調査2016年に対して疑問に感じたことを一気に吐き出してみました。

 

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