WeChatの危険性
2020/05/15
WeChat(ウィーチャット)は中国のSNSです。
これに個人情報を登録して使用することで、何か危険はあるでしょうか。
その安全性を検討してみました。
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目次
WeChatは検閲されているか?
答えは「はい」です。
検閲とは
狭義:
国家等の公権力が、表現物(出版物等)や言論を検査し、国家が不都合と判断したものを取り締まる行為。広義:
カルトと呼ばれる反社会的集団の構成員が集団の内部事情を漏洩しないように、構成員のSNSや手紙・レポート・携帯電話等の監視を行い情報発信の制限を行うこと日本では憲法第21条第2項で禁止:
「検閲」とは「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的とし、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを特質として備えるもの」
中国の事情については、日本のニュースでも流れているので、知っている方も多いと思います。
最近で言えば、ノーベル賞を受賞した中国人が亡くなったときは検閲の嵐でしたね。
ウィーチャットだけでなく、ウェイボー(微博)も監視され、個人によるさまざまな書き込みが削除されました。
あまり詳しく書いてこのブログに圧力がかかると面倒なので、興味のある方は御自分でググってみてくださいね。
監視しているのは誰?
wechatの発信情報を監視しているのは誰なのでしょうか。
まずは、中国当局の警察です。
さらに、wechatの会社、騰訊控股(テンセント)の職員も情報を監視して違法なものは削除しています。
違法な情報 = 政府にとって不都合な情報など
テンセントにしてみれば、情報の監視と削除に使う時間と労力はコストの増加につながるので、やりたくないはずです。
しかし、wechatの中に違法な情報が放置されていると、当局からお叱りを受けるのでやらなければなりません。ひどい場合は、莫大な罰金が課されることになります。
そのため、テンセントはwechatの監視員を増員する傾向にあります。
この状況は、微博weiboも同じです。
現在位置を知られる?
以前の記事に書いた「近くにいる人」(附近的人)機能の利用中は、自分のおおよその現在地を公開することになります。
具体的には、「近くにいる人」機能を使っている人のスマホ画面上に、あなたまでの距離が表示されます。
アカウントを実名にしている場合は特に注意が必要です。
出会い系によるトラブル
SNSによる出会いは、国に関係なくトラブルが発生する可能性があります。
会う前に相手がどのような人間か、慎重に見極めましょう。最初は1対1で会わないほうがよいかもしれません。
特に向こうから執拗に会いたいという連絡が来る場合は要注意です。
相手がイケメンや美女、お金持ちだったら興味がわきますが、少しでも嫌な予感がしたらやめておいたほうがよいと思います。
ウィーチャットペイの危険性
ウィーチャットペイは、スマホによる電子決済サービス。支付宝(アリペイ)とほぼ同じ機能があります。
ウィーチャットペイを使用するためには、個人情報をWeChatに登録しなければいけません。
※1000元以内の利用なら銀聯カードやキャッシュカードの登録は不要です。
私の場合、中国の銀行口座番号と携帯電話番号を登録しました。これは、以下を意味します。
- 中国の銀行と携帯会社は、私の個人情報を持っている。
- 政府はその個人情報を簡単に入手できる。
便利なのでみんなWeChatPayを使っていますが、その個人情報がどこでどのように使われているのかは謎。
2018年には、ウィーチャットペイ(その他アリペイなど全てのネット決済)が中国人民銀行のプラットフォームを介することになる、という情報もあります。
※中国人民銀行とは、中国の中央銀行のこと。
つまり、ウィーチャットペイやアリペイでの決済情報が政府に蓄積されます。
詳細:
アリババ・グループやテンセント、中国銀聯(ユニオンペイ)の関連会社など44社が、中国人民銀行傘下の決済部門とオンライン決済会社を設立します。そして、中国の銀行、支付宝(アリペイ)、ウィーチャットペイなどは2017年10月15日までに新会社との接続システムを構築しなければなりません。
2018年6月30日以降はすべての決済業務を新会社経由で実施することになります。
新会社設立の目的:
・当局がオンライン決済の資金の流れを監視。
・マネーロンダリングなど不正行為の取り締まり。
消費者のメリット(名目):
オンライン決済の安全性が高まる
実名確認、義務づけを徹底:2018年3月
2018年、新たな規定が加わり、当局の監督が強化されます。目的は、個人の実名登録を徹底させ、管理すること。
規定の名前:「ミニブログ情報サービス管理規定」
公布:2018年2月2日
施行:同年3月20日
対象:SNSの運営会社
微博(weibo)、微信(wechat)など
内容:
6カ月内の投稿内容の保存を義務付ける。
投稿者の実名、身分証、携帯電話番号の確認の徹底。
罰則:違反した運営会社には罰則あり。
それでもWeChatを使う?
正直に言うと、私も中国のサービスに個人情報を登録するときは、(危険性が高いかも)とちょっと不安になりました。
しかし、WeChatは一度使い始めたらやめられません。
LINEと同じ感覚です。さらに、LINEよりも多機能で便利なのです。
最後に、WeChatを運営する企業、テンセント(騰訊控股00700香港メイン)の株価チャートを添付します。
飛ぶ鳥を落とす勢いのテンセント。私を含め、多くの人がWeChatをこれからも使い続けることでしょう。
以上、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
関連:WeChatの使い方