中国AI投資が本格化へ――私が保有する中国半導体ETFに期待する理由

   

2026年8月25日の日経新聞に、非常に興味深い記事が掲載されました。

「中国ネット3社、投資倍増 テンセントなど4~6月に3兆円 株価下落、AI収益化急ぐ」

という記事です。

内容を読むと、中国のAI産業は今、単なる「AIブーム」から、巨大な設備投資競争へと移行していることが分かります。

そして、この動きは私が保有している中国半導体ETFにとって、長期的にかなり重要な材料になるのではないかと考えています。


中国AI大手3社がAI投資を一気に拡大

記事によると、アリババ、テンセント、百度の3社の2026年4~6月期の資本的支出は、

前年同期比2.1倍の1318億元、約3兆1000億円

に達しました。

内訳を見ると、

  • アリババ:677億元、前年同期比75%増
  • テンセント:527億元、前年同期比2.8倍
  • 百度:113億元、約3倍

という猛烈な増加です。

これは単なるIT企業の設備投資ではありません。

その中心にあるのが、

AI半導体、データセンター、クラウド、計算能力

です。

つまり中国でも、AIを巡る競争が、

「どの会社のAIモデルが優秀か」

という段階から、

「そのAIを動かすための計算能力を誰が確保できるか」

という段階に移りつつあります。


特に注目したいのは「AIインフラ」

今回の記事で私が最も重要だと感じたのは、アリババの数字です。

アリババでは、AIモデルやAIアプリ事業が赤字を拡大させています。

一方で、

クラウド・半導体などの計算インフラ事業は売上高484億元、前年同期比45%増。

調整後EBITDAも56億元となっています。

ここには、AI投資の本質が見えています。

AIモデルは競争が激しく、無料化や低価格化によって利益を出しにくい。

しかし、AIを動かすためには、

  • 半導体
  • メモリー
  • サーバー
  • データセンター
  • ネットワーク
  • 電力
  • 冷却設備

が必要です。

AIモデルがどの企業のものになるのかは分かりません。

しかし、

AIを動かす計算能力が必要になることはほぼ確実です。

ここが半導体投資の面白いところだと思います。


「AI企業」より「AIインフラ企業」に注目する

私は今回の記事を読んで、AI投資を見る視点が少し変わりました。

AIというと、どうしてもアリババ、テンセント、百度などの巨大IT企業に目が向きます。

しかし投資という観点では、

AIを作る企業

だけではなく、

AIを動かすために必要な設備を供給する企業

を見ることも重要です。

これは米国でも同じです。

NVIDIAなどの半導体企業がAIブームの中心になったのも、AIモデルそのものではなく、AI計算能力を提供する側だったからです。

中国でも同じ構造が生まれる可能性があります。


そこで私が保有している中国半導体ETF

現在、私が保有している中国半導体ETFは、

588170を6,400口

588200を5,500口

です。

特に588170は、中国の科創板に上場する半導体材料・設備関連企業を対象とするETFです。公式情報でも「半導体材料・設備」をテーマとするETFとされています。

ここが今回の記事との相性が非常に良いと感じています。

なぜなら、中国のAI投資が増えれば、

AIデータセンター増設

AI半導体需要増加

半導体工場・製造能力増強

半導体製造装置・材料需要増加

という流れが期待できるからです。


中国の「半導体国産化」とAIが重なる

さらに重要なのが、中国にはもう一つの巨大な投資テーマがあります。

それが、

半導体の国産化

です。

米国による半導体規制が続く中、中国は自国で半導体を作る能力を高めようとしています。

つまり、

AI投資

半導体自給率向上

という2つの巨大な政策・産業テーマが重なっています。

中国のウェハー製造装置の国産化率が上昇しているとの報道もあり、半導体設備の国産化が進んでいます。

これは、588170のような半導体材料・設備ETFを見るうえでは重要なポイントです。


中国AIは「本物」なのか?

もちろん、ここには慎重に考える必要があります。

中国AI企業の設備投資が急増しているからといって、すぐに利益が増えるわけではありません。

むしろ現在は、

設備投資↑↑
AI売上↑
利益↓

という企業もあります。

例えば今回の記事では、アリババのAIモデル・アプリ事業は大幅な赤字となっています。

百度についても、AIクラウド基盤の売上が大きく伸びている一方、利益面では厳しい状況が続いています。

したがって、

中国AI=すぐに儲かる

と考えるのは危険です。

今はむしろ、

AIインフラへの先行投資期

と考えたほうがいいでしょう。


しかし、私はそこに長期投資のチャンスを感じる

株式投資では、すでに利益が出ている産業よりも、

これから巨額の設備投資が必要になる産業

に長期的な成長余地が生まれることがあります。

現在の中国AIはまさにその段階にあるのではないでしょうか。

アリババ、テンセント、百度などが年間数兆円規模の設備投資を行い始めれば、その資金は最終的に、

半導体 → サーバー → ネットワーク → データセンター → 電力 → 冷却 → 建設

へと流れていきます。

つまりAI投資は、一部のIT企業だけで完結しません。

巨大な産業投資サイクル

になります。


私が588170に期待する理由

私が特に588170に注目している理由は、

「AIそのもの」ではなく「AIを支える半導体産業」に投資できる

からです。

AIモデルの勝者が、

アリババなのか
テンセントなのか
百度なのか
DeepSeekなのか
Moonshot AIなのか

現時点では分かりません。

しかし、どの企業が勝っても、

計算能力は必要です。

そして計算能力が増えれば、

半導体

製造装置

材料

工場増設

という需要が発生します。

この「どのAI企業が勝つか分からなくても恩恵を受けられる」という点が、半導体設備ETFの面白さだと思っています。


もちろん、中国半導体ETFには大きなリスクもある

ここは忘れてはいけません。

最大のリスクは、

① 米国の対中半導体規制

最先端半導体製造装置やAI半導体への規制がさらに強化されれば、中国企業の成長が制限される可能性があります。

② 中国国内の過剰投資

AIブームに乗って各社が一斉に設備投資すると、

半導体工場が増えすぎる

可能性があります。

その場合、価格競争が激しくなり、企業利益が圧迫されます。

③ AI投資の回収問題

3兆円規模の設備投資をしても、それを利益として回収できなければ企業価値は上がりません。

④ ETFそのものの値動き

中国半導体ETFは非常にテーマ性が強いため、S&P500などと比較すると価格変動が大きくなりやすい。

したがって、コア資産というよりサテライト投資として考えるほうが適していると思います。


それでも私は「数年単位」では期待している

今回の記事を読んで私が最も強く感じたのは、

中国のAI投資はまだ始まったばかりなのではないか

ということです。

2026年4~6月期だけで3社が約3兆円を投資しています。

これが一時的な投資ではなく、

数年間続く設備投資サイクル

になるなら、中国半導体産業にとって非常に大きな追い風になります。

さらに中国政府による半導体国産化政策も重なります。

したがって私は、

中国AIの勝者を当てるのではなく、中国AI投資によって拡大する半導体インフラ需要に投資する

という考え方に魅力を感じています。


S&P500・NASDAQ100との組み合わせも面白い

私はすでにS&P500とNASDAQ100への積立投資を数年前から続けています。

そのため、中国半導体ETFを考えるときには、

米国AI+中国AI

という視点を持つことができます。

米国ではNVIDIA、Microsoft、Amazon、Googleなどを中心にAI投資が進む。

中国ではアリババ、テンセント、百度などがAI投資を拡大する。

つまり、

世界のAI投資そのものが拡大することに賭けながら、米国と中国で異なるAI・半導体サイクルを持つ

というポートフォリオになります。

もちろん中国には地政学リスクがあります。

だからこそ、S&P500・NASDAQ100をコアとして持ち、中国半導体ETFをサテライトとして保有するという位置づけには合理性があると私は考えています。


結論――私の中国半導体ETFは「長期のAIインフラ投資」と考える

今回の日経新聞の記事を読んで、私は現在保有している中国半導体ETFを改めて評価しました。

中国AI企業は今、

AIモデル開発

から

AIインフラへの巨額投資

へと進んでいます。

そして、その投資の先には、

半導体・製造装置・材料・データセンター

があります。

私が保有している588170などの中国半導体ETFは、この大きな設備投資サイクルの恩恵を受ける可能性があります。

もちろん、中国株なのでリスクは大きい。

短期的にはAI投資への懐疑論や中国景気、米中対立によって大きく下落することも十分に考えられます。

しかし、5年、10年という長期で考えるなら、中国がAI・半導体の国産化に巨額の資金を投入し続ける可能性は無視できません。

だから私は、今回の記事を、

「中国AI株を買う材料」ではなく、「中国半導体・AIインフラETFを長期で保有する理由が一段強くなった材料」

として受け止めています。

特に588170については、AIモデルの勝者を当てる投資ではなく、中国全体のAI計算能力増強と半導体国産化という2つの大きな流れに乗る投資として、今後もじっくり見ていきたいと思います。

AIの覇者が誰になるかは分からない。
しかし、AIが成長する限り、計算能力と半導体は必要になる。

私は、そこに中国半導体ETFの長期的な投資妙味があると考えています。

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