中国の大学、軍事訓練を見学してわかったこと
2018/12/02
中国で受けたカルチャー・ショックのお話です。
私は以前中国で大学講師をしていました。
中国の大学の新学期は9月からなのですが、新入生には軍事訓練という試練が待ち受けています。日本でいえば、高校入学後の応援歌練習みたいなものでしょうか。
軍事訓練は中国語で「軍訓junxun」という略称で呼ばれています。
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参加者
大学の新入生全員が参加し、中国全土の大学で行われます。
SNH48のようなアイドルたちもこの試練を受けた(もしくはこれから受ける)はずです。
⇒ 黄婷婷はSNH48の正統派アイドル!プロフィールと画像まとめ
服装
訓練中の服装は指定されており、迷彩色の軍服、帽子を着用します。これらは大学から支給されます。
ただし、一人一着しか支給されないので、訓練が終わったら毎日洗濯をする必要があります。
※軍服ではなく、Tシャツやポロシャツを支給される大学もありますが少数。
訓練期間
約2週間、毎日続けられます。土日もやります。時間は早朝から夕方まで。
夕食後、リラックスできるゲームのような活動をやることもあり。
9月の入学と同時に訓練を始める大学もあれば、広東省のような南方だと9月は暑すぎるため10月11月になってからやる大学もあります。
訓練場所
軍事訓練は、大学キャンパス内で行われます。大学内の運動場を使うこともあります。
学部ごとに分隊を作り、校内の至る所で訓練しています。
軍事訓練の内容
私が軍事訓練を見た感想を書きます。
- そんなに厳しい雰囲気ではない
団体行動を学ぶ要素が強いかも - あいさつ
早朝から「教官好!!」(教官おはようございます!)という声が大学内に響き渡る。 - 行進
前後左右が乱れないように行進訓練している。 - 整列
機敏に動き、きれいに並ぶ。 - 直立不動
ひたすら立ったまま動かない訓練 - 腕上げ
腕を上げたまま直立不動。一番辛そうでした。 - 軍歌
大きな声で聞いたことのない歌を合唱していました。軍歌らしいです。 - お楽しみ会?
訓練の終盤ではリラックスした雰囲気で、ゲームみたいな活動をしていたようです。
- 給水に気をつけている
水筒をみんな持ってきていました。
(授業中もみんな持ってきますが) - 体調不良なら休める
特に体力のない女性は木陰で休んでいます。 - 一体感が生まれるらしい
水筒:ちゃんと一箇所に置いているのがいいですね。ちなみに、日本の水筒は中国でも人気があります。
木陰で休憩する女学生たち
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教官はモテる
軍事訓練の間、学生たちを指導するのが教官です。彼らは大学の教員でもなく、大学の機関とも関係のない人達です。
- 基本的に厳しいが、時にはやさしい兄貴的存在
- 若い
一見して幼さが残る20代というのが分かります。学生たちと年齢的にはそんなに変わらないのでは。 - 女学生からモテる
私の学生たちが実際に「かっこいい」と言っていました。 - 所属は不明
彼らの所属はどこなのか?学生たちに聞いてもわかりませんでした。 - 移動中も整然としている
訓練の休憩時間になり、休憩場所に移動するときでも軍隊のように整列し息を合わせて行進する。その姿は凛々しく、学生たちの良き模範となっていると思う。
軍事の要素ゼロ
軍事訓練という名前だけ聞くと
(軍隊の訓練なの?)
と怖くなりますが、実際は軍事の訓練ではないです。
拳銃などの武器は一切使用しませんし、戦いを想定した訓練でもありません。
初めて見た時は、
(大学に入ってまで訓練なんてかわいそう)
と思ったのですが、当の本人たちが意外と楽しみながらやっています。
中国の大学1年生は純粋な子どもたちという雰囲気なので、そういう規則には従うのでしょう。
規則というか中国の法律で軍事訓練をやることが決まっているらしいです。
軍事訓練も終盤になると、真っ黒に日焼けした学生が目立ちます。
学食などで順番を待つ時、まっすぐ並べない学生がけっこういます。
もう一度軍事訓練を受けてほしい・・・。
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