中国のサービス、接客態度が向上した理由
2018/11/17
先日(中国人の接客態度が良くなった)と感じる面白い体験をしました。
店員のひどいサービスに不満を抱かせられる場合が多かった中国。
なぜ、中国は変わったのか?
その理由には、接客態度を向上させるあるシステムが関わっていました。
順を追ってブログに書いてみます。
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うっかり、外国人が宿泊できないホテルを予約
上海観光のため、南京東路の近くにある青年旅舎のドミトリーをQunar.comで予約しました。
Qunar.comはホテルだけでなく、航空券や鉄道のキップも予約購入できるとても便利な旅行サイトです。
ちなみに、青年旅舎は中国語でユースホステルのことですが、そこは正規の加盟店ではなく勝手に青年旅舎を名乗っているホステルです。
非正規のユースホステルがどんな感じなのか、興味があったのです。
しかし、予約当日、そのホステルに行ってみると、
「ここは外国人は泊まれない」
と言われてしまったのです。
いまだに外国人が泊まれないホテルが中国にあることに驚きましたねー。
私 「すでにネット決済したので、ホテル代返してくれますか」
宿主「ネット予約したならQunar.comでキャンセルしてくれ。その後、返金されるから」
私 「どうやってキャンセルするの?」
宿主「ネットで調べればわかるはずだ」
深夜の上海、夜10時過ぎ、ホテルを探してさまよう。宿なしになってしまった私は、適当なホテルに駆け込み、空き部屋があるか聞きました。
南京東路周辺のホテルチェーン店はすべて満室でした。土曜の夜だったので当然かもしれません。
iPhoneを取り出し、地図アプリでホテルを検索。
⇒ 高徳地図(公式サイト)
何件かのホテルに電話して、空きがあったのが上海船長青年酒店。
ここもユースホステルっぽい雰囲気ですが、正規のユースホステル加盟店ではありません。
最初からこちらを予約しておけばよかったです。
キャンセル、代理店Qunarに電話
さて、その数日後。
外国人という理由で泊まることができなかった安宿のキャンセルをしなければなりません。
Qunar.comからその宿を予約した時に携帯のショートメールを受け取っていたので、そのURLをクリックしてみました。
しかし、すでに宿泊日が過ぎているせいか、キャンセルの項目がありません。
そこで、Qunar.comのカスタマーセンターに電話することにしました。
⇒ 電話番号:10101234(去哪儿网客服电话)
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中国人スタッフのすばらしい電話対応
ホテルをキャンセルするため、Qunar.comのカスタマーセンターに電話することにしたものの、正直言って気が進みませんでした。
私は一応中国語はできますが、(雑な対応されるだろうなあ)と思ったのです。
10101234をプッシュ。
案内の自動音声が流れてきました。
日本でもおなじみの、
「~をご希望のお客様は~番を押してください……」
というメッセージの中国語版です。
言われるままの番号を押していくと、若い男性のスタッフが出ました。以下、中国語。
「お客様、どうなさいましたか」
「私は外国人なんですが、それが理由で予約したホテルに泊まれませんでした。キャンセルしたいのですが」
「わかりました。予約番号など教えていただけますか」
「~~~です。」
「○○青年旅舎ですね。では、こちらで確認の上、20分以内に折り返しお電話さしあげます。それでよろしいでしょうか」
「はい、お願いします」
……この後、沈黙が流れる。
私「え~と、これで電話を切っていいんですか」
「はい、他にご用件がなければ」
「では、お願いします」
(客が電話を切るまで待っていたのか。中国では初めての経験だな……)
と感心しました。
その数分後、同じ男性スタッフから電話がありました。
「青年旅舎と確認がとれました。確かに外国人が宿泊できないということです」
「はい。では、キャンセルと返金をお願いします」
「はい、お客様はQunar.comの口座をお持ちですか」
「それ何ですか」
「~~というものです。その口座に返金いたします」
よくわからず、何度も質問を繰り返しましたが、彼は中国語のスピードを落とし、とても丁寧にわかりやすく説明してくれました。
というわけで、一件落着。
後はQunar.comの口座に返金されるのを待つだけです。
中国人の接客態度を向上させた理由!
前述のように、旅行代理店Qunar.comの中国人スタッフからすばらしく丁寧な電話対応を受けました。
(中国も接客態度が向上してきたなあ)と感無量。
しかし、そのスタッフが電話を切る前に付け加えた一言で、丁寧な電話対応の理由を理解し冷めてしまいました。
「後ほど携帯電話のショートメールがお客様に届きます。私の接客態度を評価する項目がございますので、返信をよろしくお願いいたします。これは私にとって非常に重要なものですので……」
おそらく、客の評価が給料やボーナスに直接反映されるのでしょう。
そして、次のように思いました。
現時点で中国人の接客態度を向上させるには、お金の力が最も有効なのではないかと。
いまはこれでいいのかもしれません。
そのうち、丁寧な接客が習慣となり定着する可能性もありますからね。
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