中国で交通事故に遭ったときの対応に驚く

      2016/07/27

中国で受けたカルチャーショックのお話です。

まず、交通事故の被害にあったのは私ではなく、私の学生です。

もっと具体的に言えば、中国人の女子大生ですね。

彼女がバイクにひかれるのを目の前で見てしまいました。

それも驚きでしたが、その後の事故処理にもっと驚いたので、書いておこうと思います。

 

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登場人物

複雑な話ではないのですが、登場人物を整理しておきます。

・私
中国の大学講師、日本人男性

・被害者
中国人女子大生1、私の学生

・被害者の友人
中国人女子大生2、私の学生

・加害者
バイクの運転手、中国人中年男性

 

交通事故発生の経緯

女子学生二人から夕食を誘われていたので、夕方、大学校門で待ち合わせしていました。

時間になって、校門に現れたのは学生一人だけ。
もう一人はすでに街に出ているとのこと。

 

二人でバスに乗り込み、目的地へ向かいました。
週末の夕方とあって、バス車内はひどく混雑しています。
東京の通勤ラッシュ時のようでした。

 

バスが目的地へ到着。
私は他の乗客をかきわけて何とか降車しました。

 

が!

 

学生が降りてきません。
というか、乗客が多すぎで降車口までたどり着けない様子です。

(バスが出発しちゃうんじゃないかな……)

と不安になって見ていると、
その学生が勢いよく降車口から飛び降りてきました。

 

その瞬間!!

 

バスの後ろから来たバイクにはねられたのです。

 

交通事故発生時の状況

スローモーションを見ているようでした。

 

バイクの急ブレーキの音が響き渡る。

アスファルトの地面に倒れる学生。

焦ってあたふたするバイクの運転手。

ドアを閉め走り去るバス。

遠巻きに見ている野次馬たち。

 

私は、言葉を失いながらも彼女に近づいていきました。

膝から血が出ていました。
幸い頭などは打っていない様子。

 

被害者と加害者のやりとり

運転手は怯えた表情で何やら言い訳をしているようでしたが、早口の中国語でよく聞き取れません。

そして、100元札を学生に渡そうとしていた。

 

学生の態度は毅然としたものでした。

運転手の言い訳を完全に黙殺。

お金も受け取りません。

 

学生は路肩に移動して腰掛け、ティッシュで血を拭きはじめる。

スマホをバッグから取り出し、誰かに電話する。

相手は、これから会う予定のもう一人の学生のようです。

 

バイクの運転手は黒く日に焼けた40歳位の男性。

100元札を彼女に渡して話をつけようとしている。

 

学生が加害者に対して初めて口を開きました。

 

「バスが停車しているんだから客が降りてくるのは分かるでしょ!?」

 

とても厳しい口調でした。

20歳ほども年下の女性に責められ、バイクの運転手は表情を歪め、黙りこむ。

 

私はその間何をしていたか、というと
バイクの前に立ち、
運転手が逃げないように気をつけていました。

加害者がバイクを降りなかったからです。

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病院で手当てを受ける

先ほど電話した相手である友人が事故現場に到着。

加害者と何やら話し合いをしています。

 

結局、学生二人、加害者、私の4人で病院まで歩いて行きました。

病院と言っても、街角にあるとても小さな診療所という感じです。

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そこで、簡単な手当をしてもらいました。

治療費は運転手が支払っていましたが、20元くらいです。

 

診療所を出たところで、バイクの運転手と別れ、私たちは食事に行きました。

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カルチャーショック

・誰も警察に通報しない
明らかに人身事故なのに、です。

・被害者と加害者が連絡先を交換しない
「本当にいいの?」と何度も確認しましたが、「中国なので」という一言で片付けられました。問題ないようです。

 

ちょい感動エピソード

事故の衝撃で、学生のサンダルが壊れたようで、新しいサンダルを露店で買っていました。

「それ、加害者に買わせればよかったのに」

というと、

「いいんです。あの人はいま失業しているそうなので……」

(それ、本当かどうかわからないじゃん)

という言葉を飲み込み、

(優しい子だなあ)とほっこり。

とにかく、大事に至らなくて本当によかったです。

 

中国でバスを乗り降りする時は、

・交通事故

・スリ

に注意する必要がありますね。

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