中国の大学で日本文化を教える

      2020/03/29

中国の大学で講師をしていますが、私の場合は日本語を教える機会は少なく、日本事情に関する授業をすることが多いです。

いまは上海の大学で、日本文化を担当しています。
授業のことをブログ記事にしてみます。

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日本文化の授業準備

中国の大学は、基本的に、教員が自由に授業をすることができます。

主任からも
「何をやってもいいです」
と言われています。

大学によっては、教科書を指定されることもありますが、それも使わなくてもよいです。

一番楽なのは、良質な教科書があって、それに沿って授業をすることだと思うのですが、良質な教科書がなかなか見つかりません。

結局、
「何をやってもいいです」
と言われると、授業準備に時間と労力を使うことになります。

日本文化って何?

そもそも、日本文化ってなんでしょうか。
抽象的で、範囲が無限に広がっている気がします。

茶道?
華道?
歌舞伎?とか?

それを一般的な日本人は、詳しく知りませんし、日常的に必要な知識でもありません。

日本人すらよく知らないものを中国人に教える必要があるのか、と疑問に感じます。

日本語学科卒業生として、今後役に立つ実用的な知識を教えたいと思いました。

何を期待されている?

学生たちが日本文化の授業で期待していることは、千差万別。
いろいろなタイプの学生がいるからです。

  • 専門的な知識の吸収に貪欲
  • 何かを体験したい
  • ドラマ・アニメ好き
  • とにかく楽をしたい
  • 日本に興味がない

結局、すべての学生の満足度を高めることは難しいです。
茶道にすごく興味がある学生もいれば、興味ゼロの学生もいます。

当然ですが、基本的には、やる気があって優秀な学生に合わせた授業をします。
それが、全体のレベルの底上げにつながるからです。

授業の流れを作る

1コマ90分のうち、前半を私の授業、後半を学生の発表にあてることにしました。

その理由

  • 学生の日本に対する興味を具現化
  • 学生の調査力、まとめる力を養う
  • 人前で話す練習
  • 学生の日本に対する誤解をとき、補足説明

学生の発表

学生が発表するにあたり、以下の条件を出しました。

  • テーマ
    日本に関することなら何でも良い
  • 発表時間
    20分程度
  • PPTを作る
  • ビデオの使用可
    5分以内

テーマ

学生たちが自分で用意したテーマをご紹介。
バラエティーに富んでいて楽しかったです。

駅弁
京都
ゴミの処理
吉原花魁
寿司

居酒屋
晴明神社
野球
ゆるキャラ
日本のらーめん

コンビニ
週刊少年ジャンプ
スラムダンク
華道
舞妓と芸子

屋久島
歌舞伎
銀河英雄伝説
ギャル
東京ファッション

自動販売機
和食
和服
弁当
羽生結弦

だてマスク
相撲
競技カルタ
ヤクザ
茶道
武士

単純に見れば、中国人の若者は日本のこういうものに興味をもっている、ということになります。

ただし、
(授業だから真面目なテーマを選ぼう)
という考えの学生もいたように思います。

真面目なテーマは教員の私がやればいいわけで、学生には自由に好きなものをテーマにしてほしいです。

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発表のレベル

いろいろなタイプの発表がありました。
総じて、学生の発表はおもしろかったです。

  • しっかり練習してきた学生
  • 練習不足の学生
  • やる気がある学生、ない学生
  • やる気はあるけど伝え方が下手な学生
  • PPTの使い方が超うまい学生
  • 発表は良いけど、PPTが見にくい学生

学生が教壇に立ち、皆の前で発表しただけでも良い経験になったと思います。
みんな、予想以上にちゃんとやってくれました。

アンケート

聞く側の学生には、毎回アンケートを書いてもらいました。
発表者の発表に対する評価、感想です。

アンケートは簡単なものですが、これを書かせることで、聞く側の学生もちゃんと発表を聞きます。

そして、クラスメートの発表を客観的に見てもらい、自分の発表に活かしてもらうこともねらいの一つです。

授業後にアンケート用紙をチェックするという作業は負担になりますが、授業にある程度の緊張感を持たせるためには必要かなと思います。

以上、中国の大学、日本文化の授業についてでした。

日本語教師のブログなのに、大学の記事が少ないので、これからは時々書きます。
今後も試行錯誤しながら、中国の大学生の成長の手助けをしていきます。

関連:テストで100点満点を取る中国人大学生の特徴まとめ

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