日本人向けのアリペイ始動、成功の可能性を予測

      2018/03/17

2018年春、日本人向けの支付宝(アリペイ)がサービス開始予定。

私は中国で生活しているので毎日使っています。

一度使い始めたら手放せなくなるほど便利なアリペイ。
スマホがあれば財布は不要。
ATMでキャッシングすることもなくなりました。

日本でもこんな生活が実現するのでしょうか。

 

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アリペイについて

アリペイは、スマホのアプリを使った電子決済サービスです。
使い方など、詳細は以前にも触れました。

⇒ 支付宝(アリペイ)の使い方まとめ

 

  • お店がアリペイを導入するには数百から数千円が必要。
  • 2017年現在、アリペイ利用者の99%は中国人。

 

 

アリペイが日本人をターゲットにする理由

中国のアリババ集団が2018年春、日本人向け支付宝(アリペイ)を開始するそうです。

現状では原則としてアリペイは中国の銀行口座を持つ人しか利用できません。

 

しかし、中国とビジネスをしている人中心に日本人にもアリペイの需要が高まっています。

そこで、新サービスは日本の銀行口座を持つ日本人でもアリペイを使えるようにするものです。

サービス名は、支付宝(アリペイ)ではなく、日本向けのブランド名になります。

 

目標は、日本人が中国でもアリペイを利用できるようにすること。
中国に行く日本人は年間250万人。

まずは、日本国内のローソン、家電量販店、デパートなどすでにアリペイ対応済みの店で使えるようにし、徐々に対応店舗を増やします。

 

アリババは、中国人に比べて日本人の電子マネー決済が少ないことに着目。

数字だけをみれば成長の余地は大いにある、と読んだのでしょう。

 

ただ、日本社会や日本人の消費パターンなど、リサーチを十分にしたのか怪しいです。

 

「とりあえずやってみよう。それでダメなら調整または撤退」
という中国人的な考え方は、今の時代に適していると思います。

 

 

日本人向けのアリペイが成功しない理由

結論を先に言いますと、アリペイは日本人に普及しないと思います。

日本人向けのアリペイは失敗する可能性が高いということです。

 

理由をいくつかあげてみます。

 

 

クレジットカードの例

アメリカ社会では、早い段階から一般的に使われていたクレジットカード。

 

しかし、日本人がクレジットカードを使い始めるまでに長い時間がかかりました。

カードを持つこと、そのシステムに強い警戒心があったからです。

 

日本人は、お金が関わることにとても慎重な民族だと思います。

よって、アリペイという新システムにも警戒心と拒否反応を示すことが予想されます。

 

 

アリババの知名度

アリババを知らない中国人には会ったことがありません。

一方、アリババを知っている日本人にはなかなか会いません。

 

日本では知名度が低すぎますね。

 

 

信用度の低さ

日本人向けのアリペイサービスは、アリババ傘下の金融会社アントフィナンシャルジャパン経由で提供するそうです。

 

アントフィナンシャル(公式サイト)
https://www.antfin.com

 

この金融会社、知っている日本人はどれだけいるでしょうか。
知名度ほぼゼロの金融会社を日本人は信用しないと思います。

 

 

個人情報の保護

上述の知名度や信用度にも関連しています。

 

日本人は中国の商品やサービスに対する警戒心があります。

 

アリペイを使用するには個人情報を登録する必要があるので、それが保護されるのかどうか心配する人が多いでしょう。

 

アリババは中国の企業なので、中国政府から個人情報の提出を求められたら拒否することができません。

 

個人情報流出のリスクを冒してまでアリペイを使いたがる日本人は少ない気がします。

 

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必要性の低さ

そもそも、日本人が日本で生活する上で、アリペイって必要でしょうか。

 

日本人の消費生活における支払いシステムはすでに安定しています。
クレジットカードと現金があれば、不便を感じません。

 

一方、中国人はクレジットカードを持っている人の割合が低いです。
クレジットカードが普及する前にアリペイが普及しました。

 

また、現金については偽札の問題があります。
なので、アリペイでの支払いのほうがお店から喜ばれます。

 

中国生活ではアリペイの必要性がとても高いと感じます。。

 

関連:偽札の人民元

 

 

アップルペイ

日本ではアップルペイがいまいち普及していませんね。
便利なのは認めますが、必要性が低いのでしょう。

 

そして、アップルペイとアリペイのどちらかを日本人が選ばなければならないとしたら、アップルペイを選びます。

 

Appleの強力なブランド力は、そのまま大きな信用につながるからです。

 

 

日本人には財布が必要

私は中国で生活していますが、外出時は財布を持ちません。
スマホのアリペイアプリが現金と同じ役割をはたしてくれるからです。

 

しかし、日本にいるときは財布を必ず持ちます。
その中にポイントカード、会員証、免許証などが入っているからです。

 

日本の生活ではカード類がとにかく多い。
財布が必要な日本社会では、アリペイのメリットが目減りしてしまいます。

 

 

MMF余額宝+アリペイなら成功するかも

私は、日本人向けのアリペイが成功しないと予想しています。

 

しかし、成功する可能性も少しあります。

もし、MMF余額宝が使えるなら、多くの日本人がアリペイを使うと思います。

 

低いリスクで年利4%(2017年)の運用が可能。
中国では、低所得者から高所得者までみんな使っています。

 

余額宝の詳細など
⇒ 中国MMF余額宝に投資しようとした結果

 

しかし、MMF余額宝を日本で使えるようにするには、いくつもの審査を通らなければなりません。

また、中国の経済状況なら安定して年利4%が可能ですが、日本の経済状況ではかなり難しいと思います。

 

ただ、私はアリペイを応援しています。

日中両国の資金の移動が、楽に自由に行えるようになってほしいからです。

 

アリペイの日本進出が困難に(追記)

2018年3月17日の追記記事。

支付宝(アリペイ)の日本進出はスムーズに行かず、遅れています。

 

その理由

  • 日本の銀行との協力関係が得られない
  • 日本政府も難色を示している

 

結局、日本の銀行も政府も
「日本の消費者の個人情報を保護したい」
ということです。

 

アリババの次の戦略に注目しています。

 

 

以上、日本人向けの支付宝(アリペイ)サービス開始に関するブログ記事でした。

 

関連:定期預金金利、中国と日本を比較2017年5月

 

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