中国の大学で日本語教師になるメリット、方法、就職の流れ
2018/11/05
中国のいくつかの大学で日本語教師をした経験があるので、中国就職のメリット、流れなどを書きます。
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中国の大学を選ぶメリット
日本の大学院を修了し教職の道へ進む日本人は、日本の大学で働きたいと思う人が圧倒的に多いです。
なので、中国の大学で講師をやろうという日本人はそんなに多くはありません。
日本にいると中国のネガティブな情報が多すぎてイメージがよくないですし、中国語もできないなどの理由で敬遠されるからです。
実際に中国の生活環境は日本に比べてかなり劣ります。
その結果、中国の大学に就職したものの、一年で帰国する日本人講師はとても多いです。そうでなくても数年以内にほとんどの日本人が帰国してしまいます。
良くも悪くも、中国の大学の日本語教師は流動性が高い職業ですね。
一方、私はもともと旅好きで外国アレルギーがありません。
さらに、中国語ができるので、中国の環境に適応できます。
私が中国を選ぶ一番大きな理由は
「そこに自由があるから」
です。
日本の大学で働くとなると、雑務も多く、上下関係もあるために、若手研究者は時間的にも精神的にも理想的な状態を保つのは難しいです。
一昔前と違い日本の大学教員もストレスが溜まりやすい職種になりつつあります。普通のサラリーマンと比べたらまだまだ楽ですが。
それに比べて中国の大学に就職した場合、日本人講師はとても大事にされます。
契約で交わしたコマ数をきちんとこなしていれば、あとは基本的に自由。遊び、思考、研究の時間を捻出でき、ゆとりある生活を送ることができます。
中国の大学を選ぶメリットは、自由時間を確保しやすいことです。
関連記事:
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中国の大学の選び方
一口に中国の大学と言っても、ものすごい数があるわけで、どこの大学に就職するかを決めなければなりません。以下の基準で選ぶ人が多いと思います。
知名度で選ぶ
北京大学、精華大学、復旦大学などの超有名校は、あまり公募が出ません。おそらく、人の紹介で信頼のできる日本人講師を採用しているのだと思います。
超一流校の採用は難しくても、一流大学ならたまに募集しています。
学歴と教育経験があれば採用される可能性が高いです。
ただ、一流大学の給料はそんなに高くありません。
理由は、安月給でも就職したい人が集まってくるからです。
いずれは日本の大学で働きたいと思っている人や、キャリアアップに繋げたい人は、知名度で中国の大学を選ぶとよいと思います。
場所で選ぶ
中国はものすごく広いです。
個人的には、北と南、沿岸部と内陸部では別の国のように感じます。人々の気質や話し方、食べ物、風景、ライフスタイルなど全然違います。
注意すべきなのは、南北で中途半端な位置を選ぶと大変な思いをします。
例えば、北の方なら宿舎の気密性と暖房施設がしっかりしており、冬でも暖かい生活をおくることができます。
南なら、エアコン設備に力を入れており、夏でも部屋の中は涼しいです。
しかし、中途半端な位置だと、気密性の低い部屋で冷暖房の設備もしっかりしていない、という環境で生活することになります。
簡単にいうと、冬に室内がとても寒いです。
でも、死なない程度の寒さなので、我慢できてしまいます。我慢できる範囲だから冷暖房設備に力を入れないのでしょう。我慢したくないんですけどね。
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給料で選ぶ
中国の大学教員の給料は日本に比べてとても安いです。
ただし、家賃が無料で、多くの大学では食費、水道光熱費、インターネット回線などの補助金が出るので、給料のほとんどを自由に使うことができます。
中国の大学で働く日本語教師の月給はさまざまで、だいたい4500元から10000元の間になると思います。
有名校よりも無名の大学の方が給料が高い傾向にあります。無名の大学では給与を高くしないと良い人材は集まりませんからね。
自由時間が多いので、副業をすることもでき、うまくやれれば可処分所得は日本の平均を超えるかもしれません。そして、中国語が堪能であればそれは難しいことではありません。
さらに、物価が安いので月給のほとんどを貯蓄や投資に回すこともできます。
中国の銀行の預金金利は日本に比べてかなり高いので、定期にしておくとしっかり増えますよ。
⇒ 中国の建設銀行で口座を開設する方法
⇒ 中国の銀行、定期預金の金利、2016年9月
⇒ 銀行の預金金利。中国と日本の比較
就職の流れ
中国の大学に就職する流れを書きます。
- 公募を探す
インターネットで簡単に見つかる。
大学の公募と仲介業社の公募がある。 - メールする
公募の内容に質問できる。
メールに履歴書など添付し直接応募する。 - 返事を待つ
大学または仲介から返事が来る - 書類審査の結果を待つ
経歴などを基に書類審査が行われる。
大学が採用を急いでいる、経歴が優秀であるなどの場合は、書類審査だけで採用が決まることもある。 - 電話面接
通常、中国の大学に直接行っての面接はない。
日本語学科の主任の電話面接を受けることになる。 - 採用結果の通知
電話面接の結果を経て、電話かメールで採用の通知が来る。
電話面接の最中に採用が決まることもある。 - Zビザ発給の手続き
中国の大学への採用を決めるのは日本語学科の主任ですが、決まった後は、大学の国際課(外事弁)と協力してZビザ取得の手続きを進めることになる。
国際課とのやりとりは英語か中国語。
⇒ 中国大使館、学位記の領事認証。アポスティーユではなく公印確認が必要
中国の大学で日本語教師をやる場合、行くまでの事務手続きが大変です。たぶん、みなさんの想像をはるかに超える大変さです。時間、労力、お金がかかります。
そして、
「一年目に何を感じるか」
で中国に残る人と帰国する人が分かれるようです。
以上、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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